避妊薬ピルで胸が大きくなる!?服用する前に知っておきたい危険性とは

避妊薬ピルで胸が大きくなる!?服用する前に知っておきたい危険性とは

「ピル」は、避妊が目的で処方される医薬品です。そんなピルにまつわる噂のひとつとして、「ピルを飲むと胸が大きくなる」ということを聞いたことはありませんか?

もし本当ならば、バストアップサプリよりも安く手に入るので、使ってみたいと思う人もいることでしょう。

そもそもなぜピルでバストアップできると言われているのでしょうか。

今回は、ピルで胸が大きくなる噂の真相を調査するべく、「ピルとはどんなものなのか」「バストアップできると言われている理由」などをまとめてみました。

はじめまして!バストアップ美学編集部長の中川です。
 
バストアップ方法のひとつとしてよく噂されている「ピル」。しかし、ピルには知っておきたい危険性もたくさんあるのです。
 
本当にピルで大きくなるのか?服用する前に知っておきたい副作用や危険性についてまとめていきます!

ピルはどんな薬なの?胸が大きくなると噂されている理由って?

では「ピルを飲むと胸が大きくなる」と言われる理由について、まずは本題から入っていきましょう。

ピルは病院で処方してもらえる医薬品

病院
ピルとは、「経口避妊薬(けいこうひにんやく)」と呼ばれる医薬品です。その名の通り、主に避妊を目的として服用されています。
 
ピルを入手するには、産婦人科や内科などの専門の医師の診察を受けて、処方箋をもらわなければなりません。

このようにピルは、バストアップサプリのように、ドラッグストアや通販サイトで簡単に手に入れることはできないんですね。

ピルの主成分は女性ホルモンです

避妊薬として知られるピルには、女性ホルモンと似た働きを持つ成分が含まれています。そのため、別名「女性ホルモン剤」とも言われています。

ピル避妊薬

実は、この女性ホルモンが「避妊」にも「胸」にも大きく関係しているのです。

そもそもピルの働きは、妊娠時に近いホルモン状態を人工的に作り出すこと。
 
脳に“妊娠した”と勘違いさせることで、排卵がストップし、妊娠を防ぐことができるのです。これが、ピルで避妊ができる基本的な仕組みとなるのですね。

ピルで胸が大きくなると言われる理由は、女性ホルモンにある?

では、なぜ“ピルで胸が大きくなる”と言われているのでしょうか?
 
筋肉質で固い男性の胸と比べて、女性の胸は“ふっくらと丸みのある形”をしていますよね。この女性の胸には、「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2種類の女性ホルモンが大きく関わっているのです。

みなさんの思春期ごろを思い返してみてください。

思春期ごろになると、女性の胸はだんだんとふっくらとハリのある大人の胸へと成長していきますよね。
 
これは、思春期から2種類の女性ホルモンの分泌が増えることで、乳腺が増えたり、発達したりするからです。
 
そうすると、脂肪が乳腺周りに付くようになり、胸がふっくらと大きく見えるようになるのです。

つまり、女性ホルモン剤と呼ばれるピルには、この大人への胸へと成長させる女性ホルモンと似た働きを持っているということ。
 
これが、バストアップ効果があるかもしれないと噂されている理由となっているようです。

妊娠時に近いホルモン状態というのは、生理前のホルモン状態のこと。なので、生理前に胸が張ったりすることと、同じ現象が起きているのです。

 

なるほどー!生理前のように一時的に乳腺が発達するから、胸にハリが出た!と感じる人が多いんだね。

 

そうなんです。ただ、ピルは女性ホルモンを急激に増やすのではなく、女性ホルモンのリズムをコントロールすることしかできません。
 
思春期のように、急激に女性ホルモンの分泌量が増えて、胸がどんどん大きくなっていく…という効果は期待できないと思います。

避妊以外にピルに期待できる効果

避妊以外にピルに期待できる効果

ピルには避妊以外にも、色々な症状の改善が期待できることを知っていますか?いくつか挙げていくのでチェックしてみましょう。

生理痛の軽減
 
生理周期の安定
 
子宮内膜症の予防
 
子宮体がん、卵巣がんのリスク軽減
 
出血量の減少
 
月経前症候群(PMS)の緩和
 
ニキビの改善

出典:ピルの処方|もみの木医院
 
避妊薬のイメージが強いですが、ピルによって女性ホルモンのバランスが整うことで、これだけたくさんの症状を改善することができるのです。

ピルには副作用のリスクもある!バストアップ目的で安易に飲むと危険!?

ピルには副作用のリスクもある!バストアップ目的で安易に飲むと危険!?

「胸の張りを感じるなら、少しはバストアップ効果を期待できるのでは?」とピルを一度試してみたい人もいるかもしれませんね。でも、ちょっと待って下さい。ピルには副作用がいくつかあるのです。

中には危険なものもあるので、詳しくお話していきます。

服用前に知っておきたいピルの副作用

ピルを処方される時に医師から説明があると思いますが、ピルには副作用のリスクもあります。
 
具体的にどのようなものがあるのか、見ていきましょう。

軽い吐き気
 
頭痛
 
胸の張り
 
不正出血
 
血栓症

このように、ピルには様々な副作用が起きるリスクもあるため、胸を大きくするという目的で安易に服用するものではないことが分かりますよね。

ピルの副作用は、1~2ヶ月服用していると治まることが多いようですが、飲み始めて1ヶ月間は注意する必要があります。

こんな人はピルを飲んではいけません!

バストアップ目的ではなく、ピル本来の目的となる避妊や生理不順の改善で服用する場合でも、「ピルを服用できない人(禁忌)」もいるので注意しましょう。
 
また、慎重投与に値する人は、医師と相談しながらピルの服用を続けていく必要があります。

慎重投与 禁忌
年齢 40歳以上 骨成長がまだ終了していない場合
肥満 BMI30以上 BMI30以上
喫煙 喫煙者(禁忌対象者以外) 35歳以上で1日15本以上
高血圧 軽度(妊娠中高血圧既往も含む) 高血圧症
糖尿病 耐糖能の低下 血管病変を伴う糖尿病
妊娠 妊娠または妊娠している可能性
産褥 産後4週以内
授乳 授乳中
手術 術前4週以内、術後2週以内、および長期間安静状態
心疾患 心臓弁膜症、心疾患 肺高血圧症または心房細動の合併
心臓弁膜症(急性心内膜炎の既往
肝臓疾患 肝障害 重篤な肝障害、肝腫瘍
片頭痛 前兆を伴わない片頭痛 前兆を伴う片頭痛
乳腺疾患 乳癌の家族歴、乳房に結節 乳癌
血栓症 血栓症の家族歴 血栓性素因、血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患またはその既往症
その他 ポルフィリン症、てんかん、テタニー、腎疾患またはその既往、子宮筋腫 過敏性素因、耳硬化症、エストロゲン依存性腫瘍、子宮頚癌およびその疑い、診断の確定していない異常性器出血、抗リン脂質抗体症候群、脂質代謝異常、妊娠中に黄疸、持続性掻痒症または妊娠ヘルペスの既往

出典:低用量ピル(OC)|京都の産婦人科 志馬クリニック四条烏丸

このように命に関わってくる場合もあるので、決して自己判断で服用するものではありません。

また、持病を持っていない健康な人でもタバコを吸っている人は、要注意です。
 
それはタバコを吸っていると、血液の流れが悪くなりやすいからです。
 
ピルのエストロゲンに似た成分が血液を固めてしまう恐れがあるため、血液が流れなくなる「血栓症」という病気にかかるリスクが高まります。手術後の人、出産後の人なども血が固まりやすくなるので服用は禁止になります。

このように、ピルには危険性もあります。
 
ピルが医師の診断が必要である「医薬品」である理由が、より納得できるはずです。

ピルには、危険性もあるからこそ、サプリメントのように自己判断で服用するものではなく、医師の診察が必要となる「医薬品」に値するんだね。
 
バストアップサプリのように安易に飲むべき薬ではないことが分かりました。
 
でもこれだけリスクがあると、本来の目的で服用するのもちょっと怖くなってきちゃった…

 

ピルは、正しく服用すれば辛かった生理痛や生理不順、予期せぬ妊娠も防ぐことができる薬です。
 
ここからは、ピルの服用を考えている人に向けて、ピルを安全に服用するために気を付けておきたいことをご紹介していきます。

ピルを安全に服用するためには?

ピルを安全に服用するためには?

ピルには副作用のリスクや危険性もあります。そんなピルをより安全に服用して、効果を実感するには、どのようなことを気を付けると良いのでしょうか?

必ず病院で医師の診察を受けて処方してもらうこと

これまで説明してきたように、ピルは「医薬品」に値するため、日本国内では病院で医師の診察を受けなければ入手することはできません。
 
しかし、中には、海外から輸入する形の通販サイトで販売していることもあります。
 
通販サイトで販売されているピルは、正規品を謳った偽物だったり、品質と安全性がきちんと確認されていないものもあり、非常に危険です。
 
ピルは、必ず産婦人科や内科などの病院で処方してもらいましょう。

ピルの正しい使い方を守る

ピルは、毎日1粒ずつ1ヶ月にわたって服用していくことで女性ホルモンを人工的にコントロールしていくため、飲み忘れは禁物です。
 
毎日同じ時間に、決められた量を服用しましょう。 

もし万が一飲み忘れてしまった場合は、その旨医師に相談しましょう。
 
「ピルの服用を続けても良いか」判断してもらう、もしくはピルの効果がなくなってしまっている可能性があるので「ピル以外の避妊薬」を処方される場合があります。

初診だけでなく、定期的に診察を受けよう

1ヶ月のカレンダー

ピルの副作用は、約1~2週間で収まると言われていますが、人によっては長期に渡って続いてしまうこともあります。
 
ピルにもいくつか種類がありますので、自分に合ったピルを処方してもらいましょう。
 
また、時期によって体調は変化します。
定期的に診察を受けて、その時の体調を見てもらった上でピルの服用を続けていくことが、副作用のリスクを抑えられる最善の方法です。

結論!ピルは医師の診察のもと、本来の目的で服用すること

ピルで胸が大きくなる!と噂されていますが、そもそもバストアップ目的で処方してもらうことはできません。
 
その上、ピルによる副作用のリスクもあるとなると、サプリメントのように安易に飲むべき薬ではないことが分かりますよね。
 
とはいえ、医師の指導のもと正しくピルを服用すれば、今まで辛かった生理痛や生理不順も改善する効果が期待できる万能薬。
 
ピルは、本来の目的で医師に相談しながら服用しましょう。

バストアップ美学編集部まとめ
 
今回は、ピルで胸が大きくなる、という噂が本当なのか調査していきました。ピルには女性ホルモンに似た働きを持つ成分が含まれているため、バストアップ効果があるのでは?言われていたんですね。
 
しかし、ピルはあくまでも、避妊や生理不順などを改善するための薬です。
  
ピルには副作用のリスクや間違った飲み方をしてしまうと病気が悪化することもあるので、必ず病院で医師の診察のもと処方してもらうようにしましょう。